3「学生時代に力を入れて取り組んだこと」はES、面接を通して最も良く聞かれる、定番の質問です。

自己分析と言えば、こうした自分のこれまで力を入れてきたことをまず振り返ることが「定番」ではないかと思います。

それでは、こうした過去を振り返る自己分析の手法は、誰がいつから提唱したのでしょうか?

この手法は、私が就職活動をした30年前からありますから、恐らくは誰が提唱したのかは判然としないのではないかと思います。

自己分析の手法

ただし、「自分の過去を振り返る自己分析」を一般的に確立し、書籍としてまとめたのは、1992年我究館を設立した「杉村太郎」(故人)氏の著書である「絶対内定」1994 年版(ダイヤモンド社)ではないでしょうか?

以来、同書は毎年新版を重ね、今日においても、生協で一番売れている「就活本」と言われています。私の推察が正しいならば、今から20年前に一般化したと考えることが出来ます。

それだけの年月を経ながら、今もって高い支持を得ている理由は、この過去を振り返るという方式の自己分析が王道の自己分析であると考えていいと思っています。

他方で、私が就活コーチングをしている学生から聞こえてくる声は、自分の過去を振り返ろうとしたものの、辛いものがあった。また、途中で放棄してしまったというものです。

過去・学生時代を振り返る自己分析

そこで、私なりに「過去を振り返る自己分析」について考えてみました。

結論は、「過去において、自分が主体的に目標を定め、一定の成果を残してきた人には、とても有効な方法であるということです。また、反面、両親や先生の言われることを忠実に行って来た人にとっては、辛い自己分析になるのではないか !」というものです。

そもそも、自己分析の目的は、将来の自分の展望や、やるべきことを見いだすことです。その為に、私なりに「過去の自分を振り返る自己分析」としてどんな人でも辛くならずに出来る方法がないかと考えてみましたので、ここで紹介します。

「学生時代に力を入れて取り組んだこと」を見つける方法

私は、自分の過去を振り返る際には、自分のこれまでの「成績表」や、「表彰状」(あれば)、「工作物」を取り出して、それを分析するのがいいのではないかと考えています。

学生の本文は本来「勉強」です。勉強の成果である成績表を振り返って、得意・不得意をチェックすることにより、「基礎学力」や「学力面」での特徴が分かります。誰でも、得意・不得意はあるものだから、この方法は、誰にでもお勧めです。また、これがわかれば、「就職試験」対策に、どの程度力をいれる必要があるかが見えてきます。

表彰状や工作物は、自分が熱心に取り組んだ履歴です。これにより、自分の指向性や嗜好性が分かります。こうしたことがわかると、志望企業を選定する際に「モノ」への興味・関心の程度がわかり、将来の自分を展望する上で役に立つと考えています。

これをお読みいただいている読者の方々には、ひょっとしたら今では部屋の片隅に置かれてしまわれているモノを取り出して、自分が取り組んだ履歴を味わっていただけるといいと思います。

また、先輩・後輩・友人と一緒に映っている写真や映像を取り出してみるのも自分の人間関係や力を入れたことを振り返るいい機会になるかも知れません。