私のコーチングをしている学生の中に、語尾が消えたり、口ごもる、場合によっては、言葉を噛む人がいます。面接ではこれは印象が薄く、自信がなさげに受け取られてしまいます。

なぜそうなってしまうのか、正直初めは原因がわかりませんでした。しかし、私自身がボイストレーニングを受け、その原因がはっきりしました。

語尾が消えたり、口ごもったり、噛んでしまったりする原因、それは、正しい発生方法ができていないことにあります。

この発見は、自分自身でも驚きでした。が、よくよく考えてみると、そもそも私は、正しい日本語の発生方法を小学校時代に一度も教えられていません。

発生方法とメリハリ

小学校に入学する時点では、既に言葉を話せていたので(もちろん同時期に入学する子供もこの段階では皆言葉は話せます。)、教える側の先生すら「発声法」の大切さを認識していなかったのでしょう。

皆さんは、小学校時代(?)に日本語には、母音と子音があることを習ったことを覚えていますか?

念のために少しおさらいをします。母音は、あ(A)い(i)う(u)え(e)お(o)です。あ行以外は、原則として「子音+母音」でできています。例えば、か(kA)き(ki)く(ku)け(ke)こ(ko) のように。

だから、全ての音に含まれる母音がきちんと発声できれば、語尾が正確に伝わり、話し方にメリハリが出てきます。そのため、いい発声法を身に着けるためには、まず母音をきちんと発声することが大切なのです。

正しい発声方法の練習

あ(A)、い(i)、う(u)、え(e)、お(o)の正しい発声の方法はこうです。

口の形は、
【あ】・・・・指が縦に3本入るくらい、大きく縦に口を開く
【い】・・・・口を横に開き、口角を耳元に引き上げる
【う】 ・・・・唇をすぼめて、やや前に突き出す。
【え】・・・・唇をやや左右に引き、舌先は少し上を向く
【お】・・・・口を縦長に丸くし、口の中に大きな空間をつくる です。

ポイントは、「あ」「え」「お」は、顎が下に動き、三音ともほぼ同じぐらいの位置まで下げることです。
恥ずかしながら、私自身はこのことを知るまで、話す時に顎があまり下がっていませんでした。
正しい顎の動かし方を知ってから、人が話す時の顎の動きを注意して見ているのですが、以前の私のように話す際に顎が下がらない人が非常に多いことに驚いています。

また、私の場合、「う」と「お」の発音が苦手で、トレーナーが言われたように発音できるようになるまで、凡そ2ヶ月を要しました。

次に滑舌をよくするトレーニング法を紹介します。滑舌のトレーニング法は、以下の単語を、一音一音区切って、リズミカルに、口を大きくはっきり開けて、笑顔で行うことです。

アエイウエオアオ カケキクケコカコ サセシスセソサソ タテチツテトタト ナネニヌネノナノ ハへヒフヘホハホ マメミムメモマモ ヤエイユエヨヤヨ
ラレリルレロラロ ワエイウエヲワヲ

更に、発声を良くするためには、顔の筋肉を使い、口を大きくあけて発音すること。また、舌をよく動かすことも重要です。
舌の動きが重要になるのは「ラ行」の発音をする時です。ラ行は、舌の先端を上の歯の根元やその前、その奥などに動かしながら、音を発しています。

「リラリラリラリラ・・・・・・」や
「ラガラガラガラガ・・・・」「ラタラタラタラタラタ・・・・・」など
「ラ」行を使った発声練習をすると、舌の動きが良くなります。