面接で与える声の印象と表現

声の表現の印象は、ニューマン氏によると以下の3点で変わります。

  1. 声質「あたたかい(warm)・・・・冷たい(Cold)」「力強い(strong)・・・・弱い(weak)」
  2. スピード「速い(fast)・・・・・・遅い(slow)」や「間」のとり方
  3. ピッチ(抑揚)「高い(high)・・・・低い(low)」

です。   また、ニューマン氏は、以下のようなことも述べています。

『人は、変化に敏感です。従って、声の変化をうまく使えば、伝えたい内容をしっかりと印象づけることが出来ます。声質では、深く呼吸し、十分な息を使って発生すれば、あたたかい声に聞こえます。 逆に息を出し惜しみすると、冷たく聞こえます。エネルギーを込める/込めない、つまり声質の強弱は変化を伝える一つの方法です。だから、呼吸法が大切です。 スピードに関しては、ゆっくりと話していた人が急に興奮して早口で話し出したら、相手はこれまでとは違った印象を感じて、「何だろう」と耳を傾けてくれます。また、互いに話しをするときには、「間」を意図的にコントロールすることが大切です。 ピッチ(抑揚)で大事なのは、音楽のようにリズムよく話すことです。淡々と話す人よりも、抑揚のある話し方をする人の方が、あたたかく、明るい印象を受けます。』

世界を代表する名コーチのお話しには、学ぶところが多いのですが、 ではこのような「声の表現力」 を身に着けるにはどうしたらいいか?

声の表現力を身につけるために

日本のアナウンサーやナレーターが意識し、実際に使っている技を倉島さんからお伺いしましたのでご紹介します。 表現力をUPする為のポイントは以下の4つです。

  1. 抑揚(イントネーション)
  2. 強調(プロミネンス)
  3. 間(ポーズ)
  4. 緩急(チェンジオブペース)

です。

抑揚 – 声の表現技法1

この中で、まずは、抑揚(イントネーション)について紹介します。 イントネーションとは、言葉の調子、音の上がり下がりのことです。声の調子が上がることを昇調、下がることを降調、平坦なことを平調といい、イントネーションはこれらの組み合わせで行います。 同じことを発音しても、音の上がり下がりで、全く違う意味に聞こえます。 具体的には、「あなた」を以下の二通りで発音して下さい。

あなた  (昇調) = 甘える感じ あなた  (下調) = 起こっている感じ

発する言葉は同じでも、全く違った意味に聞こえますよね。このように、私たちは常日頃からイントネーションによって、感情や気持ちを表現しています。 もし、自分の話し方が平坦=平調だと思う人は、常日頃から、言葉調子の上がり下がりを意識して話すよう心がけてください。   私がコーチングしている学生の様子を観察してみると、「語尾が上がる」学生が少なくありません。 「発言内容に自信がないので、曖昧にしておきたい」や.「断定口調を避けることで、強調したいことを、角を立てずに伝えたい」 という心理的な背景が語尾が上がる口調に現れてしまっているのです。 しかし、語尾が上がる喋り方は、社会人の耳にはとても奇異な印象を与えます。本来抑揚は、語尾を下げることが基本ですし、語尾を下げると自信があるように聞こえるので、面接の際は意識して語尾を下げてしゃべるようにしましょう。

実際に面接で使える挨拶の抑揚

面接では、最初と最後に「挨拶」をしますが、その際にもこの「抑揚」の技術が使えると効果的です。例えば、

おはようございます → おようございます しつれいします → しれいします

の、赤字部分の「は」や「つ」をUPトーンさせて挨拶をしてみて下さい。明るく、元気な表現ができます。

大丈夫の抑揚

このような練習もしてみて下さい。発する言葉は「大丈夫」だけです。

(A) 心配そうに      (具合の悪い友達を気遣って) (B) 驚いて        (友達が目の前で転んで) (C) 元気づけるように   (躊躇している友達を励ましながら) (D) あきれて       (何度も同じ失敗をしている友達を見て)

いかかでしたでしょうか?同じ「大丈夫」でも、いろんな伝え方ができるのを実感していただけたのではないでしょうか。 親しい友達と「大丈夫」以外の言葉でも、「抑揚」を変えた発音してみる練習をすると、多彩な表現力を身につけることに繋がりますので、折をみてやってみてください。