話の内容を印象に強く残すためには、以下の4つの方法があります。

1. 『数値法』

文字通り「数字」を使うことです。例えば、自分の所属するサークルの規模を説明するのに、単に「大きなサークル」と言っても規模感は伝わりませんが、「100人が所属するサークル」と言えば、相手にも正確に大きいサークルであることが伝わります。

また、「集客のために一生懸命頑張りました」と言っても、どのくらい頑張ったのか伝わりませんが、「今までは1,000人の集客だったのが、1,500人を集めました」と言えば、頑張りと共に成果を出したことも伝わります。

ビジネスの世界では、「数字」が「命」ですし、「数字」は世界の共通語です。そのため、話の内容に数字を意図的に折り込むのは、とても大事なことです。テレビコマーシャルでも、「タウリン1,000㎜g」や、「レモン20個分のビタミンC」など、数字が多用されています。聞いている方は、正直タウリンってなんなのか知らない人のほうが多いのですが、とりあえず数字を出されると何だか凄そうに感じますし、説得されてしまうのです。

 2. 『比較法』

文字通り「比較」することです。例えば、何かの大会で「3位に入賞」したことを説明しようとするとします。これを単に「3位入賞」といっても、それがすごいことなのか、初めて聞く人にはピンと来ません。そこで、「過去10年間はずっと6位入賞しかできなかったのに、今年は3位に入賞しました」と過去と比較する形で伝えれば、初めて聞く人にも「よく頑張ったね」と思ってもらえます。

また、単に「新入部員を20名も獲得しました」と伝えるだけでは、これまたピンとは来ませんが、「他のサークルが平均して10名しか獲得できなかったのですが、私のサークルでは20名を獲得しました」と説明すれば、「ああ、頑張ったのだ」ということになります。

ビジネスの世界では、数字が大切と伝えましたが、それは、対前年比〇%アップしたとか、「同業の利益率が平均5%の中、自社は10%です。」といったように、常に比較して物事を捉えるからです。テレビコマーシャルでも、例えば洗剤では、洗浄力○%UP(当社比)や、「他の店で当社より安い製品があれば、それよりも価格を安くします。」といったことを伝えている会社がありますが、これなども比較法を使った表現の一例です。

3. 『比喩法』

あることを何かに例えて「比喩」を使うことです。比喩表現を使うと相手に強いイメージを伝えることが出来ます。

例えば、「周りから、面白い人って言われています。」では、どのくらい重い白い人なのか、何がどう面白いのかなど、イメージが伝わりませんが、『「明石家さんま」さんのように面白いと言われています』と言えば、よほどお面白い人ということが伝わります。

また、「1年生の時は先輩の言われたことをしていました」と言ってもイメージが湧かないですが、「1年生の時には、犬みたいに忠実に先輩の言われたことをしていました」といえば、面白いし、イメージが鮮明に伝わります。

実際にビジネスの世界でも、特に初対面の人に自分の商品やサービスをわかりやすく伝えるために、例えば「この製品はテレビのチャンネルを変えるぐらい簡単にだれもが利用できます」や「毎月、2人分の人件費の削減になります」と言ったりしています。

4. 『引用法』

良く知られている著名人や素晴らしいと言われている人の言葉を引用して話すことです。特に、自分の考えの正当性を主張する時や、説得力を持たせたい時に有効です。

例えば、「僕はこうしたいけど、どうかなぁ?」と言う場合に、「僕はこうしたいけど、実際に2年上の〇〇さんが、こういう場合には、こうした方がいいって言っていた。」とみんなに一目置かれている先輩の言葉を引用すると説得力が増します。

また、志望理由を話す時に、「〇〇だから御社を志望します」と言うよりも、「〇〇だから御社を志望します。私の尊敬しているゼミの教授も△△と述べられています。」と言った方が、相手には、好感度を持たれやすいものです。

ビジネスの世界でも、例えば、「本田宗一郎さんが、〇〇とおっしゃっていましたが、、」とか、「先日、お目にかかった佐藤取締役は、□□とおっしゃっていますが、、。」等、著名人や影響力のある人の言葉を引用してお客様や社内の人を説得することはよくあることです。

 

もしかしたら、中には「自分に使えるかなぁ?」と思われた方も少なくないと思いますが、諦めてしまってはいけません。

こうしたスキルの取得は、例えば野球のピッチャーが、今までは直球一本だったのを、カーブやスライダーを使えるようになるために練習することと同じですから、一つ一つ確実に自分のものにして下さい。(比喩法を使用)