技術面接とケース面接とは?

いままでに就職活動での面接対策として、「一般面接」と「コンピテンシー面接」について紹介してきましたが、実はこれらの他に、企業が実施している面接には、もう2つの別の面接があります。

一つが、特に理工系の4年生や修士2年生を対象として研究内容の発表・プレゼンテーションなどが行われる「技術面接」です。

もう一つが外資系コンサルティング業界や、外資系コンサルティング業界出身の経営者や人事担当者が行う「ケース面接」です。

ここでは「技術面接」と「ケース面接」の概要や対策について解説していきます。

技術面接・ケース面接などの面接の種類に関連する記事

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技術面接

技術面接は、通常、学生の志望職種に現在従事している現場の方が単独、もしくは人事部の担当者と組んで実施されます。いずれのケースでも、テーマは研究内容についてです。

技術面接では、「研究目的」「研究内容」「研究成果」「今後の研究」をパワーポイント5~10枚程度に予めまとめて発表するケースと、口頭のみで行われるケースの二通りあります。

技術面接対策

技術面接では、事前に資料をまとめたものを発表する場合は、1ページに、「1タイトル1メッセージ」として資料を作成します。

技術面接において、発表時に大切なことは、準備した資料に目を落して読まないで、面接官の表情に注視し、自分が発表した内容を面接官が理解したかどうかを観察することです。

もし、理解されていないことが分かったら、その時点で補足説明をするのも技術面接において重要です。

面接官として配属予定の現場の皆さんが技術面接に同席するといっても、必ずしも自分が研究したテーマについて深い知識や知見を持っているとは限りません。従って、「専門用語」については、時としてわかりやすい例えで補完したり、言い換えることが技術面接では重要です。

技術面接で準備した資料は、あくまでも面接官にわかりやすく伝えるためのツールです。私も幾度となく修士生に対する技術面接トレーニングを行っていますが、ほとんどの学生は、準備した資料を一方的に読みがちになっています。また、技術面接の通常プレゼンでは、5分や8分間といった時間が予め指定されるケースが多いのですが、タイムコントロールに気を配らないケースも多く見られます。

技術面接のプレゼン後は、質疑応答の時間が設けられています。実は、ここでの質問に的確に答えられるか否かが、技術面接での生命線です。

技術面接官が特に注意して見ているのは、研究に取り組んでいる過程で、「PDCAをどのように回したか、研究過程の中で遭遇した疑問や課題、困難をどのように乗り越えたのか」という点と、「研究内容が応募企業(または志望職種)で役にたつか」という点です。

技術面接はコンピテンシー面接との類似点も多いので、技術面接でもコンピテンシーレベルを常に意識することが重要です。

ケース面接

私は、ケース面接のスキルをUPさせるためのみに多大な時間と労力を使うことには賛成していません。

もっともケース面接とは何かすら知らないで面接に臨むことも無謀です。ケース面接が行われそうな企業に応募するのであれば、ケース面接に関する教科書的書籍を数冊購入して、「例題」を自分なりに解くことが大切です。

ケース面接対策

外資系コンサルティング会社へ入社を希望する場合でも、ケース面接にはいま説明した程度の準備で臨み、もし面接を通過できなかった場合には、素直に「自分はこの仕事に向いていない」と考え、他業界や他の企業へと軸足を移すことが懸命だというのが、私の率直な意見です。

外資系コンサルティング会社へ入社する道は、中途採用でも新卒と同じか、もしくはそれ以上に開けています。そのため、どうしても新卒で外資系コンサルティング会社を希望する人は、一旦他業界で働いた後や、留学してMBAを習得後に再チャレンジすればいいのではないでしょうか。

一方、一般企業で、外資系コンサルティング会社出身の経営者や人事担当者が行うケース面接は、外資系コンサルティング会社で実際に行われているケース面接に比べると難易度は高くありません。

こうした企業の場合には、ケース面接スキルよりも、コンピテンシーレベルが重視されます。従って、こちらも「教科書的書籍」を数冊読むことで、対策は十分です。