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表現力「声と呼吸法」

プレゼンテーションコーチのニューマン氏は著書で、「声というのは、その人の印象をコントロールする上で、非常に重要なファクターです。声が太く強ければ、自信に溢れた人に見えます。細くて弱々しければ逆の印象です。声が音楽的な人は繊細なイメージ、ゆっくり話せば思慮深く聞こえ、早口で話すと興奮しているように思われます。そして、声は、息づかいによって出すものです。だから、声の出し方においてもっとも重要なのが呼吸です。息を吐かずに話すことは決してできません。呼吸の質について、私たちはもっと考える必要があるのです。私は、呼吸がきちんとできないうちは、コミュニケーションスキルを上達させることは絶対に出来ない!と断言します。それ程呼吸は重要なのです。」と書かれています。

つまりコミュニケーションスキルそのものも、「呼吸法」が大切であると説いているのです

ところで、呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸の2種類の呼吸があるのをごぞんじでしょうか?両者の違いを図示してみました。

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胸式呼吸は、肺を含む肋骨や鎖骨で胸部を広げて空気を入れます。「喉声」と言われ喉に負担がかかるので、長く話すと、かれてきます。また、呼吸が浅いので、大きな声や張りのある声が出せません。

一方、腹式呼吸は肺の下にある横隔膜を下げることで肺が大きくなり、たくさんの空気を取り入れることが出来ます。腹式呼吸は息をコントロールしているので、声にメリハリをつけることができます。

あがってしまい心臓がドキドキしていても、声が震えたり、裏返ったりすることがありません。また、意識して腹式呼吸を繰り返すことにより、緊張をやわらげ、リラックスすることが出来ます。

前々回に紹介した声のくせチェックリストで、よくないクセが見つかった人は、まずは、この腹式呼吸をマスターすることが重要です。

腹式呼吸と 潜在意識

また、腹式呼吸法には、心理学的な効用もあると倉島真帆さんが著書で記していますので、紹介します。

『私たちの心には、「顕在意識」と「潜在意識」があります。顕在意識とは。私たちが自覚できる意識です。顕在意識とは、自覚できる意識のことで、表面意識といも言います。潜在意識とは、私達がほとんど自覚できない意識のことで無意識とも言います。この潜在意識は、私たちが意識ではコントロールできない自律神経の働き(心臓を動かす、胃の消化など)も担っています。

「呼吸」を私たちは普段無意識にしています。しかし、意識的に深くしたり浅くしたり、ゆっくりしたり、速くしたり、自分でコントロールすることができます。つまり、潜在意識と顕在意識の両方の領域にまたがっている唯一のものが、呼吸です。

顕在意識と潜在意識の間にある壁(膜)を、心理学用語で「クリティカルファクター」と言いますが、腹式呼吸はこのクリティカルファクターを取り払い通過します。つまり、顕在意識の思いを潜在意識にまで行き渡らせることができるのです。』

今ここで引用した文章の中には、極めて大切なことが示唆されています。

面接の苦手意識を呼吸法で改善する

私がコーチングをしている男子学生の中に、「重要な面接になると上がってしまって、上手く話せません」という人がいました。少しでもこういう思いに囚われていると、潜在意識の中では「面接が恐い」「面接は苦手」という強迫観念が生まれてしまいます。

潜在意識とは、過去の経験の蓄積で自分がつくりあげたセルフイメージなので、いくら「今度は堂々と話すぞ」と顕在意識で決意してもなかなか本番の面接では上手くいかないのです。

ではどうしたらいいのか?私が先ほどの学生にやったのは、まず「腹式呼吸」をトレーニングし、「面接の時には、堂々と話す」という顕在意識を、呼吸によって潜在意識にまで行き渡らせることでした。

すると、面接時に彼が上がってしまうことはなくなり、結果として合格率が各段にUPしたのです。