2013年2月に出版されベストセラーになった「伝え方が9割2」に掲載されている伝え方のエッセンスを、就活に活かす方法を紹介します。

「伝え方が9割2」の著者である佐々木圭一氏は、同書の中で「強いコトバ」を「人の感情を動かすエネルギーのあるコトバ」と定義し、そのエネルギーのことを「コトバエネルギー」と呼んでいます。そして、コトバエネルギーを生み出すためには、「ジェットコースター」の原理と同じで、コトバに高低差をつけてあげれば良いと説明しています。

強いコトバをつくる技術は、以下の5つです。ここでは、そのスキルと同時に、面談や面接の場面でどのように生かすかについて紹介します。

1)サプライズ法

「伝えるコトバに、驚きのワード」をつける方法です。具体的には、「そうだ京都に行こう」は、明らかに「京都に行こう」よりも強いコトバです。また、単純に、びっくりマーク「!」をつけることもコトバを強くします。「好き」よりも、「好き!」の方が強いです。この他にも、「ほら、~」「凄い、~」「あ、~」も強いコトバの一例です。

面接でも、『サークル活動で、みんなで力を合わせて1つのことを成し遂げた時、充実感と満足感を覚えました。「そうだ! 私は仲間と共に目標達成することに喜びを覚えるんだ!」と改めて意識した出来事でした。』のように、使うと強いコトバになります。

2)ギャップ法

「伝えたいコトバの前に、敢えて真反対のコトバを使う」方法です。例えばSMAPの代表曲「世界に一つだけの花」にでてくる「No.1にならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」というフレーズも、織田裕二主演の「踊る大捜査線」の有名なセリフである「事件は会議室で起きているんじゃない。!現場で起きているんだ!!」などは明らかにギャップ法で言葉に力を与えています。

面接で、単に「御社が第一希望です」というより、「他社が目に入らなくなる程、御社に惚れています」と言ったほうが、面接官によりアピールできるのは明らかでしょう。

3)赤裸々法

「自分の肌感覚に素直になって、自分の肌感覚を伝える」方法です。具体的には、「のどがカラカラ、感動の映画でした」や「思い出しても顔が真っ赤になるくらい、素敵な夜でした」は、単に「感動の映画でした」や「素敵な夜でした」というよりも強いコトバになります。

面接の際、「内定を出したら、どうする?」と聞かれたら、「思わずガッツポーズです。もう、これで就活を終えます」と言ったほうが、単に「ありがとうございます。もう、これで就活を終えます」というより強いコトバとして伝わります。

4)リピート法

「単純に伝えたいコトバを繰り返す」方法です。具体的には、「うまい うまい」や「今日は暑い 暑い」の方が、「うまい」「今日は暑い」と一言いうより強く伝わります。「人民の人民による人民のための政治」というリンカーン大統領の有名な演説もこの手法を用いています。

面接でも「御社の新商品は画期的、画期的だと思います」とリピート法を使った方が、「御社の新商品は画期的だと思います」というより、強いコトバになります。

5)クライマックス法

「伝えたいメインの話の前に、クライマックスワードを入れる」方法です。例えば、「これだけは覚えておいて欲しいのですが、~」や「ここだけの話ですが、~」から始めるのが典型例で、これらの言葉から始めると、聞き手はその後に続くメインの話しを集中して聞いてくれます。

面接でも同じようなコトバを前につけて話したり、人が一度に記憶しやすい「3」を使い「3つの理由があります、1つ目が、~」と前置きしてから話しを始めると、相手が自分の話しに集中しやすくなります。

 

ここでは、面接で使える事例は1つずつしか紹介しませんでしたが、「伝え方が9割2」を読んだ上で、コーチング受講者と勉強会を開催したところ、面白い活用法がいろいろと見つかりました。

このブログをお読みいただいた方は、5~6人のグループで「伝え方が9割2」を教科書にして、勉強会を開催してみてはいかがでしょうか。