前に踏み出す力(アクション) ⇔一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力

「働きかけ力」は社会人基礎力の「前に踏み出す力」の三つの要素のうちの一つです。

前に踏み出す力は、「意欲・やる気」といった個人の内的レベルから、実際の目標達成など効果が目に見えて表れるレベルまで、いわば能動的行動に関する領域をつかさどる力です。

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「働きかけ力」とは?

■働きかける力⇔他人に働きかけ巻き込む力

他人に何かを頼んだり、勧誘すること、また、リーダーシップを発揮することや交渉したり、協力・提携をもちかけることです。働きかけの対象は、対個人や、チームの両方に亘り、組織内、組織外の人やチームに対してという両方のケースが含まれます。

日本の産業界を俯瞰すると、大企業の多くは関連会社、子会社と一体となり、事業を行っています。そうした中では、親会社は関連会社や子会社をリードしたり、協力を要請する立場にあることが多いものです。そのために、親会社で仕事をする際には、必然的に働きかけ力が必要となります。

併せて、日本の大企業の多くは、営業活動や販売活動を代理店や販売店に委託するケースが多いものです。そうした際には、代理店や販売店に積極的に働きかけていく力が必要となります。

また、大企業では、社会的に影響力のある官公庁や地方公共団体、企業に対して営業活動を行っているケースが多く見られます。営業活動≒働きかけ力そのものです。

そのため「働きかけ力」の乏しい学生さんは、グループを形成している本体の大企業への入社が難しくなるという傾向が見られます。

「働きかけ力」を発揮できた例

●会議やミーティングの席上、周囲のメンバーに同意や協力を取り付けた

●1対1、あるいは、1対2(相手) の席上、自分の考えを伝え、協力を取り付けた

●チームや集団の中で、自分のビジョンや方向性を語り、同意や協力を取り付けた

「働きかけ力」のよくある誤解

▼組織の代表としてチーム組織をまとめ上げた。

▼渉外係りとして、他のチームと協力した。

これらは、一見すると働きかけ力を発揮した事例として捉えられがちですが、部長や渉外係りという役職に就くことと、「働きかけ力」とは全く別ものです。

働きかけ力とは、実際に働きかけを行う「行為」そのものだからです。また、フォロワー・リーダーシップという言葉がある通り、リーダーとしての立場や役職を持っていなくても、リーダーシップや働きかけ力を発揮することは可能です。因みに、「フォロワー・リーダーシップ」という概念を初めて聞いたという方は、ネットで是非とも一度調べてみてください。今年の採用選考の場面では、ある企業の最終面接の場面で、役員の方から「フォロワー・リーダーシップって知ってますか?」と質問された学生さんが実際にいます。