考え抜く力(シンキング)⇔疑問を持ち、考え抜く力

「課題発見力」は社会人基礎力の「考え抜く力」の三つの要素のうちの一つです。

「人間は考える葦である」と言われるように、考える力は誰もが持っている力です。社会や企業が環境に適応し前に進むためには、多くの問題を解決しなければなりませんが、その問題には多くの複雑な要因が絡み合っています。ちょっと考えた程度では解決の糸口が見えません。考え抜く力が特に必要とされているゆえんがここにあります。

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「課題発見力」とは?

■課題発見力⇔現状を分析し目的や課題を明らかにする力

問題解決プロセスは、どのような問題でも、現状を理解、分析してその中から問題点を発見し、その問題を生じさせている課題を検討します。また、目標と現状との乖離を検討し、解決策を立案するという過程をたどります。それゆえ、問題解決の成否は、問題の理解の方法によって決まると言っても過言ではなく、それを発見もしくは仮説立てする力が課題発見力です。

「課題発見力」を発揮できた例

●現状を正しく認識するための情報収集や分析をして、資料をまとめ上げた

●現状を形成している要因を複数の要素を検討して、ロジックツリーを作成した

●現状を分析して、その中から仮説立てを行い、実際の行動へと結びつけた

「課題発見力」のよくある誤解

▼アルバイトの中で、目にとまった問題点を指摘した。

▼サークル活動の中で、問題となっていることを皆に共有した。

問題発見力は、課題発見力と誤解されがちですが、大切なことは、現実に起きている問題と原因となっている真の理由(課題)との違いとを分けて考えることです。

例えば、居酒屋であるバイトをしている際に、売上が落ち始めたという現実があります。そこには、他店が近くにオープンしたり、アルバイトが集まらず十分な接客が出来ないことが原因として浮かぶかもしれません。しかし本当の課題は、近くに他店がオープンしたことではなく、ライバル店に比べて当店に魅力がないことです。また、アルバイト間の仲が悪いために、人がすぐに辞めることや、アルバイトの時給が他店に比べて低く人が定着しないことなどが、売上が落ちている真の理由かもしれません。このように現状起きている問題の、真の原因を突き止める力が問題発見力なのです。