人事面接

一般的な面接対策

新卒の就職活動の人事面接において、「一般面接」と「コンピテンシー面接」があるのは先日の記事にてご紹介致しました。

コンピテンシー面接と一般面接の違い

一般面接は、自己PR、学生時代に力を入れたこと、志望理由、社会に対する関心、趣味等様々なことを聞かれる面接です。そしてその質問に対する受け答えの中から人物を総合的に判定する質問です。

対して「competency:成果を生み出す行動特性」、つまり学生時代など人生において成果を上げてきた行動、それがどうやって生み出されたか、その付加価値について尋ねられるのがコンピテンシー面接です。

今回は、全社の一般面接、イメージされる一般的な就活の面接の対策についてお伝えします。

就活の一般面接の実際の人事の評価

一般面接における面接結果を評定する表は、概ね以下のとおりです

評価項目 評価者コメント 評価点(1.2.3.4.5)
第一印象 1|2|3|4|5
コミュニケーション力 2|4|6|8|10
行動力 1|2|3|4|5
課題解決力 1|2|3|4|5
リーダーシップ 2|4|6|8|10
協調性 1|2|3|4|5
ストレス耐性 1|2|3|4|5
志望理由 1|2|3|4|5
判定 合格|保留|不採用 合計〇〇点 /50点

 

面接評定表は、人事部が候補者に求める項目(基準)を決め、その項目の優先度をウェイトづけして完成させます。

評価項目(基準)は、企業によっても異なりますが、「第一印象」「コミュニケーション力」「行動力」等が一般的に採用されているようです。

ウェイトづけというのは、評価点の配点のことです。図表の面接評定表では、コミュニケーション力とリーダーシップが他の基準の2倍に設定されていましたが、気がついていましたか?

この面接評定表に基づき、面接官は候補者に評価項目に関した質問をし、その答えによってそれぞれの項目の評価点を決めます。

最終的な「判定」は、各評価項目の点数を足し上げた結果で決まります。図表●の場合50点満点中40点以上ならば合格、35点~39点ならば保留、35点未満ならば不合格といった具合に決まっていきます。

評価者コメントは、各項目に評価点をつけた根拠を記入しますが、会社によっては、各項目のコメントはなくて全体コメントだけの会社もあります。(実際の評価項目やウェイトづけは、会社や採用職種によって変わります)

面接場面での評価の例

さて、実際の一般面接の場面では、面接官と候補者の間では、以下のようなやりとりが交わされます。

面接官: 学生時代に取り組んだことを聞かせて下さい。

A君:  はい。私は、学業では国際経済学のゼミに所属し、部活は体育会でサッカーを、アルバイトは居酒屋チェーンで仕事をしてきました。

面接官: それでは、その各々について、もっと詳しく話しを聞かせて下さい。

A君:  ゼミでは、合宿係りとして夏休みと春休みに旅行代理店と打ち合わせをして、少しでも安く快適な合宿ができるようにしてきました。部活では、部長として部をまとめ、具体的な成果としては、3年の冬には、二部リーグで準優勝を成し遂げました。アルバイトでは、1年次から料理とホールの両方をこなし、社員の人からは君がいて本当に助かると言われています。等々

面接官: それでは、一番力を入れた部活動の話しについてもと詳しく聞かせてください。

A君:  はい。3私は、過去3年間、リーグ4~5位だった部を、優勝を目指して全員が心を一つにする一体感のある部づくりを行いました。また、基礎体力と守備力を強化することが課題だと思い、部長になってからは自主トレによって体力を強化することと全員で守れる体制へとチームを作り替えました。等々

面接官: 最後に当社の志望理由をお話し下さい。

A君:  御社は、最近、アジア展開にを入れられ、、。実際に説明会でも、、。従って、自分のやりたいことにマッチしているし、企業風土に魅かれたからです。等々

こうした候補者とのやり取りの中で、面接官は頭の中で、このようなことを考えています。

「おっ、この学生はサッカー部の部活で部長として、部を率いて優勝するために厳しいトレーニングに頑張ってきたし、課題を設定して乗り越えてきたので、リーダーシップやストレス耐性は5にしょう。

課題解決力や協調性もありそうだから4でいい。言葉もハキハキしているしコミュニケーション力もあるからこれも4でいい。ただし、第一印象は普通だし、志望理由はちょっと信憑性に欠けるところもあるから、それぞれ3にしよう。」等々。

そして、最後に「合計点は、42点だから合格でいいなぁ。」または、「このままだと合計は39点だけど、みどころがありそうだから、印象を1点上げて40点にして合格で通そう。」こんな感じです。

ここでは、雰囲気を掴んでもらうために、意図的に軽いタッチで書きましたが、実際に評価点を付ける際には、面接官は真剣に、苦労しながら評価点をつけていますので、くれぐれも誤解しないでください。

こうした面接でのやりとりは、新卒採用面接で実際に多くの企業で行われているものを再現してみたものです。

一般面接における面接官の立場を考える

実際に、候補者に対して、学生時代に力を入れたことや、志望理由を訊く企業は多く、先輩などから聞いて、自分の答えを予め用意し、本番でもきちんと話せるように練習する人がたくさんいます。

もちろん、自分が取り組んだこと理路整然と話せるように、練習することは大切なことです。しかし、中には、「役職がないのは聞こえが悪いから副部長をやってきたことにする人や、一回戦で負けたけどベスト8に入ったことにする」という具合に、自分の経歴を脚色というか、改ざんする人が毎年少なからず現れます。先輩もそうしてきて、「バレなかった」ことが語られているからです。

そのため、面接官は候補者の繰り出す嘘を見破る能力も必要とされています。つまり、真の人物像を見抜き、正しい評価を下せる眼力を備えた方が面接官として起用されています。