エントリーシートの質問例(コンピテンシー面接)
エントリーシートの設問を見るだけで、ある程度、その会社の面接形態が予想できます。
以前に面接には「一般面接」と「コンピテンシー面接」、それにその組み合わせという3つの形態があることを紹介しましたが、エントリーシートの設問を見れば、その会社がどの面接形態を重視するのかが、ある程度推測できます。
例えば、下記のような設問の会社は、総じて「コンピテンシー面接」重視の会社です。
A社
●あなたが大学または大学院在学中に一番力を入れて取り組んだことはなんですか? その内容に取り組む時に、どのような目標をたてましたか?あなたが取り組んだことについて下記の4点を盛り込んだ内容で記入してください。
1.)なぜそれに力を入れたのか?
2.)具体的にどのようなことを行ったのか?
3.)どのような壁にぶつかり、その状況をどのように乗り越えたのか? 4.)その経験から何を学び、今後どのように経験をいかしていくのか?
B社
●より高い目標に向かってあなたが率先して他の人を巻き込み、目標を達成した経験について述べてください。
●相手のニーズを理解し、それに応えるために起こした具体的な行動を述べてください。そのとき、なぜそのニーズにこたえる必要があったのかも述べてください。
●チーム全体がより力を発揮するために、あなたが自主的にチームやチームメンバーに働きかけを行った経験を述べてください。
C社
●[1]あなたが学生時代に打ち込んだ中で、より多くの人と関わり合いながら成し遂げた経験についてお答えください。
[2] [1]でお答えいただいたことについて、あなたは周囲の人の中でど のような役割を果たしましたか。
[3] [1]について、その取組内容と具体的なエピソードについてお答えください。
[4] [3]でお答えいただいたエピソードについて、最も苦労した点は何でしたか?また、克服するためにあなた自身がとった行動について、具体的にお答えください。
[5] [3]でお答えいただいたエピソードについて、失敗が許されないよ うな状況を経験したことがありますか?もしあれば、その時、どのような心境で、どのように対応を取りましたか?結果も含めてお答えく ださい。
[6] [3]でお答えいただいたエピソードによって得られたことについてお答えください。
これらの設問では、「学生時代に何を考え、何に取り組み、どんな力を養い、どんな成果を上げてきたのか?」が問われているので、小手先のエントリーシート対策では太刀打ちできません。
逆に言えば、自信を持って何かを成し遂げたと言える、充実した学生生活を送ってきた学生にとっては、この類の設問に答えるのはたいして難しいことではありません。単純に、学生生活を思い出しながら記入するだけだからです。
難しいと感じる、もしくは、そもそもこうしたエントリーシートに答えられないという人は、書くためのネタがないのが原因だと言わざるとえません。そのままではいつまでたっても書けるようにはならないので、上記のエントリーシート記入が「難しい」、もしくは「書けない」と思った方は、エントリーシートに答えられるような充実した学生生活を、今からでも遅くはないので始めてください。その際には、コンピテンシーレベル4の生活を目指すことが重要です。
ESから分かる面接の質問と内容
いま説明したのは、「コンピテンシー面接」重視の会社がエントリーシートで聞いてくる設問でしたが、一般的な面接を重視する会社のエントリーシートでは、先ほどのような「行動」に着目した質問はありません。
2016年卒業のリクナビOpenエントリーシートのテーマは、「保有資格・スキル」「趣味・特技」「学業、ゼミ、研究などで取り組んだ内容」「自己PR」「学生時代に最も打ち込んだこと」の5つで、全てがどの会社でも基本的に問われる内容です。
こうした「汎用エントリーシート」及び、これに追加した企業独自の1~2の設問(例えば、志望業界や、当社を志望する理由等)をエントリーシートに出題する会社では、面接も一般面接が行われることが推察されます。このタイプのエントリーシートは、以前に表現力でお伝えしたPREPやSTARの構造で記入することが肝要です。