企業の新卒採用基準として「人間性」と一言で片付けられてきた「自信」や「素直さ」、「人に好かれる」といったことが、「自己肯定感」と「他社軽視感」の2軸で整理することにより、クリアになったのではないでしょうか。

では、これから企業から企業の採用選考に合格し、仕事のできる社会人となる皆さんはどのタイプの人間になるべきなのかを、考えていきたいと思います。

先ほどの4つのタイプのうち、企業から最も敬遠されるのは「仮想型」のタイプの学生です。どの企業も他人を軽視し、人と協力して上手く仕事が出来ない人や、他律的動機づけの人とは、一緒に仕事をしたくないからです。

企業が求めるのは「自尊型」タイプ

一方、企業から歓迎されるのは、「自尊型」の人材であることには疑問を挟む余地はありません。

ではどうしたら健全な「自尊型」の人間になることができるのでしょうか?

先に紹介した速水先生は、「自尊型」の人間になるためには、まず、自尊感情=「自己肯定感」を高めることが大切であるとおっしゃっています。

そして、自己肯定感を高めるためには、集団で力を合わせて、何かに取り組むことが必要であり、また「緊密なコミュニケーション」のとれる環境の中に身を置くことが大切で、皆で意見をぶつけあって喜んだり悲しんだりしてお互いの「熱き心」に触れ合うことが大切であるとおっしゃっています。

僭越ながら私も全くその通りだと思います。

企業が求める「自尊型」になるための3つの方法

では、就活に取り組み皆さんは具体的に何をするべきなのか?速水先生のご指導を元に、私が考えた「自尊型」になるための方法を3点紹介します。

1点目は、「セルフ・マネジメントサイクル」としての「PDCA」サイクルを回すことです。(この「PDCA」サイクルに関しては、今後のブログの中で、詳しく紹介します。)

2点目は、自分の能力を開発するテーマを決めて、21日間継続的に取組み、習慣化することです。21日間という期間は、抵抗なく習慣化する為の日数です。能力の開発テーマは、自分の強点を伸ばすことも大切ですが、私は社会人として働く上での自分の弱点を克服することをテーマに選ぶことをお勧めします。理由は、能力開発としては、弱点を克服することの方が達成感を味わいやすいからです。

3点目は、日々の生活習慣の中で、「1対1」での対話を重ねることです。相手は、身近なご家族や友人、先輩、後輩、アルバイト先の皆さん、大学の指導教授等、誰でも結構です。「話題」は、個人的なことや社会で起きていること、就活のこと等、何でも大丈夫です。とにかく、「1対1」の対話の機会を増やすことが大切です。私は、日常的に多くの学生の方々と接している中で、意外なほど「1対1」で対面しての対話が少ないことが気になっています。しかし、仕事をする上で、大切な問題を解決するために、深い議論をしたり、人を動かす際には、「1対1」の対話が基本です。

古くは、西洋哲学の源流となったギリシャの思想家、プラトンは、考えを深めるためには何よりも「対話」を大切にしていました。