「目」は、第一印象を決定づける大きな要素であると同時に、その後の面接の場面でも表現力の中核をなすものです。 皆さんは、目についての「慣用句」や「ことわざ」をいくつご存知でしょうか?「目は口ほどに物を言う」「目は心の窓」「一目置く」「見る目がある」「大目に見る」「白い目で見る」「目が無い」「目が点になる」「目の色を変える」「目の敵」「目に掛ける」等々、ネットで調べてみたところ、ざっと200もの慣用句やことわざが出てきました。 そのぐらい、「目」はいろんなものを語っているし、大切だということです。面接の場合でも、「相手の目を見て話すこと」は基本中の基本です。しかし、このことさえも中にはできていない人が多いのです。 ここでは、「目」に関して、大切なことを2つ紹介します。「目力」(めぢから)とアイコントロールです。

「目力」(めぢから)とアイコントロール

目力(めぢから)とは、目の表情や視線が相手に与える印象のことです。目力の強い人は、意思や内面が強そうに見えます。また、自信があり元気でハツラツとして見えます。逆に、目力の弱い人は覇気がなく弱弱しい印象になります。 目力とは人の精神状態そのものを映し出し、楽しい気分の時は強まり、悲しい気分の時は弱まります。そのため楽しい気分で毎日過ごすことが大切です。 実際に目力を強くするにはどうしたらよいかについては、「10000人の声と人生を変えた1分間<笑顔>発声法」の著者である倉島麻帆さんから教えてもらいましたので、ここで紹介します。

目力を鍛える

目ヂカラUPトレーニングは、以下の4Stepです。

1.目をギユッとつぶって5つ数え、ゆっくり元に戻す。 2.目を大きく見開いて5つ数え、ゆっくり元に戻す。(「いい気持ち」と思いましょう) 3.手を5回以上擦りあわせる。(手からは、「気」が出ているため気で目を洗うイメージ) 4.手の平の窪みを目の上にやんわりと置き、目を思いっきり上→右→下→左 次には反対周りに、左→下→右→上を2度行う。

以上、1~4のStepを2回行い、トータルで1分です。 彼女が目力を強くする方法を教えたある経営者の方は、最初に彼女がお会いした時には、「生気が全くなかった目」だったものの、3週間後には綺麗で澄んだ目になり、別人のようになったとのことです。 2つ目のアイコントロールですが、おそらくあまり聞きなれない言葉だと感じた方が多かったのではないでしょうか?

アイコンタクトとアイコントロール

一般的にはアイコンタクトというコトバの方が良く使われていますが、ニューマン氏は、「意図的に自分の目を動かす」アイコントロールが大切だと教えています。つまり、意図的に目を動かし、目の動きで自分の意思を相手に伝えることが大切なのです。 通常、互いに視線を合わせてばかりいると緊張感が伝わってきます。従って、1対1の場面では、相手の目と相手の目の周辺部に目線を置くことが大切です。 目の周辺部とは両眼を結ぶラインと、顎にかけての逆三角形ゾーンのことです。鼻のあたりと思っても大丈夫です。このゾーンに目の力を入れ過ぎずに、柔らかい視線を向けることが基本です。そして、強調したい時や厳しい質問が投げかけられたときには、面接官の目をしっかりと見て、目に力を入れて話すように自分の視線をコントロールするのです。 また、相手からの質問に対して、考えたり、思い出したりする時には、視線は斜め45度にある「見えない辞書」を無意識に見ます。その際には、視線がそれても構わないので、大切なことは意図的に視線を相手に戻すようにコントロールすることです。 それから、これは高等テクニックですが、柔らかく、和やかな時には、「自分の左目で、相手の左目を見る」ことです。左目は「右脳」につながっているので、相手の右脳の働き(感性やフィーリング)に訴えかけることにより、感じの良さを伝えやすくなります。逆に論理的な話題の際には、「自分の右目で、相手の右目を見る」のがいいのです。右目は「左脳」につながっているため、相手の左脳の働き(論理性)に訴えかけることにより、相手に論理的に伝えやすくなるからです。 実際の面節の場面では、「目で反応」(嬉しさや驚き、とまどい、了解や不同意)を伝える場面や「目で意思」(本気度、決意、覚悟)を伝える場面が少なくありません。正に「目は心の窓」です。従って、「目ぢから力」と「アイコントロール」も大切な表現力の1つであると強く認識してください。