今までの就活コーチの受講生が具体的にどのような「自己プロジェクト」に取り組んで、仕事力の向上を目指したのかを紹介していこうと思います。

今回はボランティア活動の経験編です。

あくまでも実際にこれらの経験を実際に行い、PDCAサイクルを回した結果、就活で誇るべき内容・経験・事実を得た物で有り、単純にこの書き方を真似れば良いという物ではありません。

 

情報誌ボランティアプロジェクト

ある人は、元々、週に一度、公立の美術館で来館者を案内するボランティアをしていました。彼女は、ボランティア同志の繋がりを創ったり、ボランティア活動の実際を多くの皆さんに知ってもらいたいという想いから、新たに情報誌を創ることをはじめました。

幸いだったのは他のボランティアの中にも、同じような想いを持っている方が少なからずいらしたことです。このプロジェクトにより、年代や考え方の違った皆さんと話し合う機会が増えたことは、就活をする上でもとても役立ったとのことです。 

勉強支援ボランティアプロジェクト

東日本大震災があった2011年には、大学で被災地の子供たちに勉強を教えるボランティアを募集する企画が公開されました。ある先輩は、それに参加し地域の小・中学生の勉強を教えるボランティアに参加しました。

また、自分の住んでいる地域の引きこもりの小中学生と一緒にリクレーション活動をするというボランティア活動に参加した人もいます。

商店街活性化プロジェクト

元々、地域興しに興味があったある人は、地元商店街の活性化プロジェクトに参加しました。そして、そこで商店街のHP創りに加わったり、各種のイベントやお祭りにスタッフとして協力しました。年の離れた多様な皆さんと一緒にイベントを行ったり、来場者の皆さんに親しくお声掛けをするという経験は、年齢の離れた方との面接の際に役立ったとのことです。

海外ボランティアプロジェクト

カンボジニアに行って小学校を建設するボランティアに参加したり、インドに行って僧院で福祉ボランティアに参加した人がいます。このように海外のボランティア活動に参加する場合は、せっかく行くのだから、ボランティア主催者の言われたままをしてくるのではなく、自分なりにボランティア活動の中で見つけた課題をメンバーとシェアし、新しい取組みができるように支援しました。しかし、海外ボランティアでは学生が主体的に考えて行う、新しい取組みを行うのは難しかったという報告がほとんどでした。

私は、ボランティアはあくまでも「利他性」が大切だと思います。また、ボランティアをする以上は、出来れば長く継続すべきだと思っています。また。ボランティアスタッフとして活動することは貴いことですが、自分が中心者の立場をとって集団を率いることが出来るようになるためには時間がかかります。そのために、私からは、自己プロジェクトとして海外ボランティアに積極的参加することは勧めていません。

自己プロジェクトを通してリーダシップを身につけるには?

これまで、多くの自己プロジェクトについて紹介してきましたが、皆さんの中には、「ゼミ活動で自己プロジェクトを推進したのは、元々ゼミ長としてリーダーシップを発揮していた人なのではないか、また、そもそもリーダーシップに長けていた人だからゼミの改革をやり通せたのでは?」また、「部活・サークル活動では、部長や副部長といった立場だったから出来たのでは?」と推察されるか方が少なからずおられるのではないでしょうか?

この問に対する答えは「ノー」です。

ゼミ活動に取り組んだ先輩のうち、1人を除いて全員がゼミ長ではありませんでした。また、部活・サークル活動で取り組んだ先輩は、1人として部長や副部長ではありませんでした。つまり、今までは、ゼミや部活・サークルをリードする立場ではなかった、普通の学生にすぎなかった皆さんがプロジェクトを推進したのです。

 

では、なぜ、そうした普通の学生が新しい試みを実行し、リーダーシップを発揮することができたのでしょうか?

それは、本人が「立場をとる」ことを決意したからです。同時に、セルフマネジメント・サイクルとしての「PDCA」を回したからです。

確かに、私も最初に取り組むべきテーマや「目標や成果」を一緒に考えましたし、具体的な活動内容の大まかなイメージに関してもディスカッションしました。

しかし、一番大きな成功要因は、本人が「立場をとる」ことを決意し、自主的にPDCAサイクルを回したことに間違いはないのです。

ここで紹介した事例は、それまで普通の学生という評価だった先輩でも、リーダーシップを発揮することは可能だという証明です。

リーダーシップを発揮することは、本人の決意にかかっています。