グループディスカッション対策

前回に引き続きグループディスカッション対策についてお伝えしします。

第一回:グループディスカッション(GD)対策~価値(役割)を発揮~

第二回:グループディスカッション対策 ~4つのポイント~

グループディスカッション(GD)の3つの切り口

グループディスカッション(GD)において、どのような価値発揮の仕方があるかを前回、ご紹介したかと思います。

グループディスカッションにおける価値発揮の価値発揮の切り口は以下3点です。

1. 議論の方向性をリードする
2. 議論の交通整理をする
3. 他者に質問する

今回は「2. 議論の交通整理をする」、「3. 他者に質問する」、その他のポイントについてご紹介します。

1. 議論の交通整理をする

実際に議論が始まった後は、「議論の交通整理」で価値を発揮してください。具体的には、それまでの議論の推移を聞いて、今まで皆が話したことと、まだ話されていないことを一旦まとめることです。

下の図のように、議論をしていくと、自然に「共通の意見」と「違った意見」に分かれてきます。そこで、途中で「いままでの議論では、〇〇と△△に関しては、みんな同意見ということでいいですね。ただし、まだ□□と××に関しては意見が違っているので今度は、□□の考え方についてもう少し議論を深めませんか!」とった形で中盤から場をリードします。

giron1

併せて、意見が食い違っている時には、その違いっている意見を上手く紐解くことにより、価値を発揮します。人が述べる意見は、下図のように、「事実」と「解釈」と「価値観」の三層構造になっています。

giron2

その中で意見が食い違うのは、2つのケースです。

1つ目は、事実に関しては同じですが、その「解釈」や大切だと考える「価値観」が違うからです。(上図B)

2つ目は、本来、同じ階層(例えば、事実⇔事実 解釈⇔解釈 価値観⇔価値観)で議論をすべきところ、ある人は事実について話しているのに、他の人が価値観について話している(上図A.C)ことにより起きます。

そこで意見が食い違っている原因に着目して、それを紐解いていくと中盤からでも価値を発揮できます。

2. 他者に質問する

グループディスカッションにおいて、他者に質問することで価値を発揮することもできます。

例えば、自分の持論を一方的に展開する人がいる場合には、その人の発言を止めることが大切です。そうしないと、皆で納得する結論へと導けないからです。その際のやり方は、その人に、どうして、そう考えたのかを質問することや、もっといいのは、発言の少ない人に、「〇〇さんの発言についてどう思いますか?」と質問を投げかけることです。

また、議論を深める必要のある場合にも、積極的に〇〇の点に関しては、「××さんは、どう考えますか?」と意見を求めることが大切です。社会人のGDに比べて、学生のGDでは、意見を発信した人に対してほとんど質問が出ません。その為に総じて議論が拡散し、深い議論にはなりません。

グループディスカッションにおいて、周囲の人の意見に対して質問し議論を深めることが大切です。

グループディスカッションにおけるその他のポイント

3. 議論をまとめ上げる

最終的には、グループとしての結論をまとめることで、価値を発揮します。

そのためには、今までの議論を整理し、最終的にその結論に至った理由を論理的にグループのメンバーに話すことが大切です。また、テーマによっては、結論は1つとは限なない為、その場合には、複数の結論に至った理由や結論の優先順位をつけることがまとめることに繋がります。

4. 対人力の発揮も大切

GDは「思考力」と「対人力」の両方を面接官は見ています。上記の内容は、「思考力」に関するものでしたので、「対人力」の発揮の仕方についてここで紹介します。

対人力で大切なのは、まず、Visual (ビジュアル)です。つまり、「姿勢」と「顔」と「目」と「手」です。併せてVocal (声) つまり、「呼吸法」や「発声法」、「声の表現」が大切です。具体的には、最初は、ゆったりとリラックスすることが大切です。GDの開始20分前には受験する会社に到着して、後から来た学生に自分から挨拶して、世間話をすることリラックスできます。

GDが始まったら、みんなの顔をきちんと見て、笑顔で元気に挨拶します。「挨拶」は「心を開く」効用があります。議論中は顔を上げて、柔らかい笑顔で、1人1人の目をよく見て、うなずきやあいづちで反応して下さい。下を向いている人がいますが、それは絶対にしてはいけないことです。GD中に発言に気後れする人は、勇気を出して手を挙げ「ちょっと、いいですか!」と話しをする前に、間をつくって下さい。

また、GDでは、説得力のある声で話すことも大切です。その為には、抑揚や強調、間、緩急を意識すると同時に手を意識して使うことが有効です。併せて、「印象に残る単語や表現技法、強いコトバ」を使えれば説得力が高まります。