リクルーター面談とは
リクルーターを使った採用活動、リクルーター面談に力を入れだした企業が増えていることは、各種報道により、多くの皆さん、既にご存知のことかと思います。
2016年卒業の採用活動から、経団連の倫理憲章が11年ぶりに大きく変更されたことの影響です。
ここでは、リクルーター面談についての私の考えを説明していきたいと思います。
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それぞれ参考にしてみてください。
リクルーター面談の目的
リクルーター面談を会社が実施する目的は、大きく3つあります。
1.学生に自社に対する理解を深めてもらうこと。
2.その学生を採用対象とするかどうかを見極めること。
3.採用対象となった学生に、応募への動機づけをすること。
リクルーター面談は表向き、採用選考とは直接関係ないことになっています。実際、先に説明したように、純粋に「学生に自社に対する理解を深めてもらう」ためにリクルーター面談を実施している会社も存在します。
この場合、リクルーター面談が終わったあと、リクルーターから連絡がなかったとしても全く問題ありません。自分で応募して、選考を通ればいいだけだからです。
2の目的をもった会社のリクルーター面談は、この面談自体が1次選考だと考えるべきです。このパターンの場合、通常合格者には、他のリクルーター面談や選考へのアプローチがあります。
3の目的の会社の場合、選考に合格した人に対して、他社に逃げないようにすることがリクルーター面談の目的です。2と同じように、合格者には他のリクルーター面談や選考への誘いがあります。
リクルーター面談での注意点
リクルーター面談にて注意しなくてはいけないのが2のケースです。
リクルーターが面談した学生を採用対象とするか否かの見極めポイントは、一言いうと「この学生と一緒に働いてみたいと思うかどうか」です。
では、リクルーターが、どんな基準でそれを判断するか?
ベースとしての「仕事力」や「印象を含めた表現力」なども重要ですが、突き詰めて言うと「ツーウェイでコミュニケーションが円滑にとれるかどうか」につきます。
ツーウェイ・コミュニケーションの中身とは、「質問力」と「傾聴力」と「発信力」「表現力」とその奥にある「考える力」です。
リクルーター面談で試される質問力と傾聴力
下図を見てください。これは「表現力」を説明した時にご覧頂いたものとよく似ていますが、よく見ると微妙に違っています。
違いは、表現力と共に、「質問力」と「傾聴力」も問われているところです。
リクルーター面談対策 – 質問力とは
リクルーター面談の場合、「何でも聞きたいことを質問してみて」と言われ、学生側から質問をするよう促されるケースが多々あります。
その際にリクルーターは皆さんが「どんな質問をするのか」に耳をそばだてています。学生の「質問力」を評価しようとしているのです。
的を射た質問をするためには、もちろん事前の企業研究は欠かせません。その過程で、疑問に思ったことを自分なりに精査して、質問することが大切です。
更にリクルーターに「自分と一緒に働きたい」と思って貰うためには、お会いしたリクルーターの人となりに関心を寄せ、相手との親密な関係を築く必要があります。そのためには、リクルーターの経歴や今の会社に入社した理由などを聞き、自分との接点を見い出したり、相手の仕事内容に関心持つことが重要です。
また、リクルーター面談において、自分から質問する場合には、「限定質問」「拡大質問」「関連質問」の3つを組み合わせる「質問のスキル」を身に着けておく必要があります。
「限定質問」
「はい。いいえ」や、1つの「事実」について聞く質問で答える方からすれば、すぐに答えが浮かぶ質問。
「拡大質問」
事実の背景にある「価値観」や「想い」「解釈」や「捉え方」についての質問です。質問に答えるためには、相手が考える必要がある質問。
「関連質問」
いきなり話題を変えないで、1つの話題と関連する質問です。話題が飛ばないので答えやすい質問です。
それぞれ種類の質問をリクルーター面談の場面を使って、例示すると以下のようになります。
・先輩は、ご入社は何年ですか? 先輩「××だよ。」 (限定質問)
・それじゃあ、どうして、御社に入社を決められたのですか? (拡大質問)
・それに関連して、元々、どういった業界を志望されていたのですか? (関連質問)
リクルーター面談対策 – 傾聴力とは
リクルーター面談において、スムーズな会話を行うためには、相手の話したことに対して、「傾聴」することが大切です。
傾聴の「聴」は、「耳と目と心」で訊くという意味です。(傾聴力は、社会人基礎力の大切な要素) きちんと聞いていることを相手に示すには、適切に反応することが大切です。
代表的な反応は、「うなずき」と「あいづち」です。「うなずき」は、無言で相手の話に対して頭を上下に動かすことで、どの人もある程度使っているスキルなので細かい説明は不要でしょう。
一方の「あいづち」には少々テクニックが必要になります。そもそも、「あいづち」とは、会話中にしばしば挿入される間投詞のことで、聞き手が相手に関心を持ち、理解していることを示すものです。分かりやすく言えば、「へえっー」や「いいですね」「私もそう思います」「勉強になります」など一言感想を入れるのがあいづちです。
先ほど会話の例では、
先輩は、ご入社は何年ですか?
先輩「××だよ。」 (限定質問)
あっ、そうですか、それじゃもう、ご入社して××年も立たれるのですね。
それじゃあ、どうして、御社に入社を決められたのですか? (拡大質問)
実はね。○○という理由があるからだょ。
あっ、そうですか、それって、僕も全く同じです。
それと、じゃあ、元々、どういった業界を志望されていたのですか? (関連質問)
それは、□□と△△業界だょ。
あっ、そうですか、実は僕も、、、、。 (黒字があいづちや一言感想です)
このように「質問をどんどんして欲しい」というリクルーターに対する対応は、「質問のスキル」と「傾聴のスキル」の両方を駆使することが大切です。
ただし、リクルーターによっては、「学生時代にどんなことに力を入れたの?」を聞く、「一般面接」で聞くのと同じ質問や、中には「コンピテンシー面接」で聞かれるような質問をしてくる人もいます。おそらくリクルーターも人事からトレーニングを受けてそのような質問をしているので、この類の質問をしてくるリクルーターへの対応法は、人事面接で紹介します。