社会人基礎力は、企業が求める力
このページでは社会人基礎力がいかに就職活動で内定を得るために必要な能力か、人事企業が学生に求める力がなぜ社会人基礎力なのか、ということをご紹介いたします。
社会人基礎力の内容そのものを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
社会人基礎力とは何か
社会人基礎力カテゴリの記事一覧
皆さんには、就職活動をする上で、「必ず知っていなければならないこと」というものが存在します。
採用の合否を決めるのは、当然企業の人事です。ですから、企業の人事が学生・就活生に求める力、というものを知っておく必要があります。私には、東証一部上場企業で人事の採用責任者を務め、新卒・中途併せて年間約500人の採用をしてきた経験があります。ですから、人事経験者としての私の経験から話すこともできますが、まずは一般的な統計データから見てみましょう。
2010年経済産業省資料:『大学生の「社会人観」の把握と
「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査』より引用
このように、コミュニケーション能力、人柄、主体性、粘り強さ、チームワーク、などが重視され、逆に簿記や語学力、PCスキルなどの、いわゆるスキル的な能力はあまり関係がない、というデータが出ています。
2010年経済産業省資料:『大学生の「社会人観」の把握と
「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査』より引用
一方で、学生が自分に不足していると思う能力と、企業が学生に不足していると思う能力のグラフがこちらです。このデータから言えることは、
①企業側は学生に対し、「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」といった内面的な基本能力の不足を感じている。
②学生側は、技術・スキル系の能力要素が自らに不足していると考えている。
ということです。
要するに、企業は社会人基礎力を見ている、ということです。
一方で、企業と学生の間には、大きな認識のギャップが存在します。
このことは、非常に大きな問題だと言えますが、この問題を解決するのが、
まさに社会人基礎力なのです。
2010年経済産業省資料:『大学生の「社会人観」の把握と
「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査』より引用
さらに、このデータからは、
①学生側は、「チームワーク」「粘り強さ」といった能力要素に関して、 既に身に付けていると考えている。
②企業側は、その水準に達していないと考えている。
と言えます。
以上のことをまとめると、どのようなことが言えるでしょうか?
企業側は、「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」などの能力を重視しており、学生に対して、このような能力の不足を感じている。一方、学生側は、「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」の重要性をあまり感じておらず、自分に既に身に付けていると感じている、ということです。
このような「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」などといった、従来あやふやで,明確化されていなかった内面的な基本能力を、あらためて経済産業省が定義し、評価する指標をつくった、というものが社会人基礎力です。
つまり、社会人基礎力は、企業が求める力、と言えるのです。