2010年3月卒の大学新卒採用状況は、リクルートワークス研究所の調査によると、求人倍率は09年卒の2.14倍から1.62倍へと、▼0.52倍も大幅に下落しました。
また、従業員1000人を超える「大企業」の求人倍率は前年の0.77倍から0.55倍へと 落ち込み、大企業へ入社できる可能性の学生が大幅に減少しました。2011年卒以降の状況はさらに厳しくなると言われています。
ディスコ・シニアコンサルタントで大学ジャーナリストの恩田敏夫氏によれば、2010年春に就職できなかった大学生は15~16万人にも上るといいます。
恩田氏によれば、2010年春卒業見通しの大学生56万人のうち、正社員就職できた学生数は前年比約10%減の34万人程度にとどまる見通し。
この3月までに就職口が見つからず、卒業せずに留年を選んだ学生は少なくとも3~4万人いるとみられ、実際の就職希望者は49-50万人と推計される。
(参考:若者を襲う就職難。卒業までに就職できない学生・生徒数が30万人に)
つまり、大学生の3-4人に1人はどこにも就職出来ない、ということになります。
さらに、2011年度新卒の就職環境はさらに厳しくなると言われています。
図1が、男女別、正社員と非正社員の平均賃金のグラフです。
非正社員になると、勤続年数が長くても、年収は横ばいでほとんど増えず、生涯年収で見た場合、正社員と比べ男性の場合1億円~2億円、女性の場合では、約6000万円の差になります。
図2は、男女別、企業規模別平均賃金のグラフです。厚生労働省の区分に従い、従業員数1000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」としています。伸び盛りのベンチャー企業は、賃金が低いというわけではありませんが、一般的には、同じ正社員の中でも、企業規模によって、大きな賃金格差があることがお分かりいただけると思います。
上の表は、週刊東洋2006年10月7日号に掲載された、生涯給料1000社ランキング特集に掲載された個別企業のランキング上位3社と、下位3社の社名を伏せた生涯給与の抜粋です。
就職先としてどのような会社を選ぶかによって、生涯にわたって得られる収入に大きな違いが生まれます。上場企業の中でも、トップ企業と、最下位企業の生涯賃金差は、約4億円に上ります。
新卒入社のチャンスは原則的には、一度しかなく、新卒の時にどの企業に就職するかということが、その後の人生にとって、大学の選択以上に大きな意味を持ちます。
仮に、新卒生の時代に正社員として就職できなければ、その後の正社員就職への道は、より難易度が高まります。
「新卒一括採用」、「一時期の就職活動」という制度の是非は議論の余地があるにせよ、これが現状の日本の現実です。時代によって、企業への入社の門戸が広い時期もあれば、現在のように狭い時期もありますが、環境を嘆いたところで状況は変わりません。現在の与えられた環境の中で最善を尽くすことが大切です。
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